今年、愛媛県新居浜市のアートスペースVACANTを会場に、長崎県五島列島、人口約2300人の小さな島・小値賀島に注目した展示会『ある島の、話。-小値賀 Ojika-』が行われた。(主催:ポポン・ト 会期:2020年1月11~31日)
展示会キービジュアル
小値賀島は島全体が西海国立公園に指定される美しい島。「島の暮らし」を体験する観光、アイランドツーリズムが盛んで、それを求める観光客のみならず豊かな自然環境に魅了された移住者も多い。展示会では島民による日々の生活の写真展示、物産品の展示即売を中心に、島唯一の印刷所、晋弘舎の出身で、自らも島の魅力発信と印刷を行うOJIKAPPAN(https://ojikappan.com)を主宰する横山桃子さんを講師に活版印刷のワークショップも行われた。
VACANT外観 photo by huahua design
VACANT 入口 photo by huahua design
活版印刷体験の様子 photo by huahua design
活版印刷体験の様子 photo by huahua design
今回、展示会に使用した写真をスライドショーにし、公開している。
さて展示会でのワークショップの翌日、OJIKAPPAN横山桃子さんに活版印刷体験について聞いた。インタビューの模様をお届けする。
横山桃子さん photo by huahua design
トークショーの様子 photo by huahua design
(取材日:2020年1月14日)
-3日間のワークショップお疲れ様でした。新居浜での参加者はどうでした?どんな世代がいましたか?
横山:新居浜でのワークショップは親子連れが多かったですね。お母さんとお子様で参加してくれて。
小値賀島では家族連れもいるんですけど、観光客のカップルだったり。大学生のグループとか。60代のお母さんと20代・30代の娘さんの母娘旅で来られる方なんかもいます。昨日は小さい子が多かったですね。
-講師としてのワークショップの感想をお願いします。
横山:みんなやる前は難しそうというが、やりだすとハマってやってくれるし、子供たちも楽しかったといってくれたので良かったです。
-ワークショップの手応えを感じる時はいつですか?
横山:夢中になってやっているのを見ると、やっぱり楽しいんだなと。手作業の楽しさを感じてくれてるなと思いますね。
女性1人で体験する方もいますけど、普段手を使わない・・小さいものをつまむ作業を普段しないらしくて。そういう人多いです。難しいと言いながらもやってる姿を見ると、こういう場を提供できて良かったなと思います。
-小値賀島での体験参加者はどんな人たちが多い?
横山:旅の記念になるものを作りたいという人が多いですね。作ってるときにみんな絶対「小値賀」という文字を入れたがるし、嬉しいのは(活版印刷したものを)その場で手紙にして、小値賀島から投函する人とかもいて。
-ワークショップでの体験を活版印刷を知るきっかけにしたいですか、それとももっと他のことが目的?
横山:活版印刷を知るきっかけにもしたいし、小値賀島での旅の滞在のプランの一つにもしたい。今は簡単な体験提供しかしていないのですが、もっとじっくり取り組みたい方とか、自由に好きな活字拾って作りたい方を拾い上げて、そういう方たちの需要を創り出していけたらなと思います。これからの事業を考えると、体験をもっと充実させたいです。
一言で言うのは難しいですが、活版印刷体験は文化を学べる場。島民と話せるきっかけとしても。ワークショップを通して観光客は私と喋る機会ができるわけじゃないですか。活版の成り立ちについてもじっくり話ができる。それらのきっかけとなるものですかね。
-では最後に。活版体験を今後どんな人にオススメしたいですか?
横山:クリエイティブ関係の仕事に就いている人や専攻する学生たちには、来て欲しいなと思いますね、もっと。
印刷の原点がどういう仕組みでできていたのかをリアルに体験できる場でもあると思うんで。(印刷所を)見に来て欲しいし、体験して欲しいなと思います。(インタビュー終わり)
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、他に漏れず小値賀島も大小様々なイベントの中止や、観光客の来島の自粛のお願いを実施しており、大きな影響を受けている。
長崎県は5月14日に緊急事態宣言の解除を受けているが、島では自らこれまでの取り組みを無駄にしないよう、引き続き5月末までの旅行を含めた不要不急の来島を控えるよう呼びかけている状況だ。
観光客が激減する中、島での観光商品化などを手がける「おぢかアイランドツーリズム」は「こんどおぢかにいく券」と称した、先払いの観光商品を各種販売し、小値賀観光への支援を呼びかけている。
商品の内容は旅行に必要なレンタカーから宿泊施設、体験型アクティビティ、飲食店のサービスなど多岐にわたる。現在はふるさと納税でも購入することができる。
実際の展示会やワークショップ、あるいは今回の動画や記事をきっかけに小値賀島を知った方に、「こんどおぢかにいく券」を検討いただければ幸いである。
「こんどおぢかにいく券」のお知らせ
http://ojikajima.jp/news/information/12567.html
special thanks
■ポポン・ト
https://www.facebook.com/ポポント-663163660804278/
■VACANT
■huahua design|フアフアデザイン
https://huahua-d.com
■小値賀島のみなさん
記事中写真 photo by huahua design